STUDIO1
それぞれの時代が持つ良さを余すところなくとらえた贅沢な空間。3リズムのベーシックはもちろん、弦カルテット等のレコーディングにも最適。
2020.02.18
『ナチュラルで力強く、滑らかで輪郭がくっきりとしていて嫌なクセが無い。男性、女性はもちろん、もはや誰にでも合うのでは!?このマイクがあれば難しいEQ処理をすることも無く、とてもシンプルで扱いやすい、そんなマイクだと思います』
こんにちは。サウンドアーツ所属エンジニアの川嶋です。
「信頼できるチューブマイクを1本選ぶなら?」
この問いに対して必ずと言っていい程上位に挙げられる"NEUMANN U67"。高価なビンテージマイクとしての存在価値を高めている、言わずもがなノイマンを代表するチューブマイクです。オリジナルU67発売の1960年から約60年の時を経て2018に完全復刻された事はなかなかのビッグニュースでした。弊社スタジオでも早速導入され様々な現場で活躍しておりますので、今回は簡単に記事にしてみました。
2018年に発表された現行ノイマンU67は復刻ともあり、クローン版やコピー物なのでは!?という声もよく耳にしますが、ノイマン側からは全く一緒のマイクだとアナウンスされています。
なぜそう言えるのかというと、1960年代に製造されていたU67と全く同じ仕様で、出力トランスなどの主要部品はノイマンのアーカイブによる元の文書と生産図面にしたがって製造されているらしく、もっとも重要な部品であるラージダイヤフラムコンデンサカプセルは、U67の後、U87、そして現行のU87Aiへと継承、いまも生産されているので、音響設計および造形品質は当時のまま全く変わっていないらしいです。
その結果、当時のU67と現代U67の周波数特性はまったく同じだという。
造り方から全て当時と同じように作っている為、マイクは全部手作りで部品のハンダ付けも全て手作業で行われているとの事です。
ただ、このU67を製造するのに資格を持った職人が3人しかいないようで、これが販売価格にも関わっています。元々パーツも高級なモノを使っており、製造コストも高い上に今の時代に一つ一つ丁寧に手作業でしっかりと作ってくれるという訳で、これはもうプライスレスという事でしょう。
ただその成果もあって、とても綺麗で良い音を奏でるのです。マイクが!!
時代を創ったノイマンマイク
1950年代の末、つまりは1959年頃でしょうか?細かくは記録に残っていませんでしたが、それまでノイマンではU47が世界のスタンダードマイクを飾っていたある日、U47の心臓部である部品の製造中止の知らせがノイマンの元に届いた様です。
世界中のスタジオになくてはならない存在とまでなっていたマイクが生産できなくなる。。
『なんとか生産を継続しなければ!』と必要に迫られたノイマンは、やがてまったく別の部品で構成された新しいU47の構想を余儀なくされたようで「既存製品のクローンを造る」という仕事はせずにまた新たなマイクの開発に向かったようです。
この時代に開発されたU67は、今では当たり前のように指向性切り替えスイッチがありますが、この当時ではまだ不可能だった三つの指向性を備えた仕様となりました。また、昔はおそらく無指向マイクが多かったのでしょうか、、近接収録が流行り出した事を受け、新たにハイパス機能と-10dB padが搭載されました。まさに今のスタンダードを創った当時の最新型のマイクとして世に送り出されたのです。
時代を創ったマイクが今回復刻とあって、そんなに昔を知らない私が使ってみて良さを感じて、色々と調べてみたら大変貴重な情報を学べました。やはり昔から愛され、残っているモノには理由があるのだと、その凄さを肌で感じた時間でもありました。
皆さんも是非機会がありましたら試してみてください。その価値あります!
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JIYUGAOKA
それぞれの時代が持つ良さを余すところなくとらえた贅沢な空間。3リズムのベーシックはもちろん、弦カルテット等のレコーディングにも最適。
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モニターコントローラーにストレートで濁りのないサウンドを放つCrane Song Avocetを採用。サウンドの輪郭がクリアに浮かび上がります。
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Booth6帖、コントロールルーム14帖のボーカル録音、ギターダビング、ナレーション収録にフォーカスしたプライベート仕様のレコーディングスタジオ。